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のり日記

かけだし神経科学者の留学日記

渡独 49日目

こちらの国ではイースター休暇というものがあって、先週の金曜から今日までずっと休み。ずっと論文読んだり体力回復したり。一回くらいは更新しといた方がいいなと思い、何か書いてみる。

 

行動実験についていろいろ考えていたのだけれど、今日は恐怖条件づけ(フィアコン)について思うことを書く。

学生時代の先輩が、「フィアコンを考えた人は本当に天才。みんな当たり前のように使っているけどこの手法を思いついた人はすごすぎる。」と絶賛していた。

同意。たった一発の電流で学習を完了させて、しかもすくみ時間を測定することによって「記憶の度合いを定量」できる。こんな便利な行動試験は他にない。実際、LuthiやSusumu、知り合いだとJohannesの論文はフィアコンが多く、それを用いるに至る着想やそこから導く結論はエレガントだ。

だけど、僕はフィアコンが嫌い。ただ嫌いなだけ。

なぜなら、「ある遺伝子をKOしたらすくみ時間が25%から20%に低下した。だからこの遺伝子は記憶に必要である。」というような結論に(論理的ではない)違和感を持ってしまうからだ。25%、20%のすくみとは、記録時間が1分だとしたら止まっていた時間が15秒、12秒だったということ。これを記憶力の差だと結論を出すのが気持ち悪い。直感に反するから何か嫌だ。

だから、定量の指標をすくみ時間だけにするのではなく、ある閾値を設けて何匹中何匹がすくんだか、すくまなかったかというデータを追加で出すようにしたらよりよくなるのではないかとぼんやり思っている。そういう意味でも個々のデータをグラフ上に重ねてプロットするのは重要ですね。

ちなみにフィアコンを絶賛していた先輩も、自分でフィアコンをやろうとはしていなかった。何か思うところがあったのかもしれない。