まねだの日記

かけだし生物学者の留学日記

渡独 40日目 ロレンツ

Felasaの後ロレンツとドイツ居酒屋と日本食屋をはしごしたんだけど、前半はMalenaというドイツ人の女の人がいた。ロレンツと相思相愛っぽかったので、帰り道にいけるぞ!いけるぞ!押せ押せー!と応援していた。

家に帰ったらロレンツからメッセージが入って、「きょうは楽しかった!いっぱい酔っ払って千鳥足だよ;)きみはラーメン食べ逃したね、満腹だぜ!酒も最高だった」と言われ、「おれもだ、家にたどり着けなかったら拾いにいくよ」と普通に返事をした。ロレンツはなんていいやつなんだって思いながら。

 

昨日、その僕のメッセージにさらに返信が来た。「そう言ってくれて嬉しいよ!君が迎えにくる未来を楽しみにしている。なんて幸せなんだ:)」と。

んん?これは何か危ない気配がするぞ?と思って昨日、今日と距離を置いていたのだけど、今彼からメッセージが来てようやくわかった。

 

「Malena, 今から飲まない?他の人もいるよ!最高の週末にしよう」

( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´)パーン

 

ゲイじゃなくてよかった。まじで安心した。で、

「Hey, Lorenz! It's me!! おれ!!」と返したら、気が動転したロレンツから電話がかかってきて僕の返し方に問題があるとか色々言われたけど、もうここから先は醜い泥試合だから書かなくていいや、終了。

今週も頑張った。まだノーデータ。

渡独 38日目 FELASA

前回書いた記事が消えてる…。研究とフェローシップの話を詳しく書いたんだけどな。まぁいいや。


昨日、一昨日はFELASA講習というものを受けてきた。日本語でいうと動物実験講習です。

知らない大学で朝8時から夕方6時まで集中講義があって、2日目の夕方にテストがあり、それに合格したら晴れて動物実験を行えるようになる。

まさかここまで厳格なものとは思わなかったので、もうへとへと。しかも全部英語だから、想像を絶する疲れだった。でも真面目に聞いたのでかなり勉強になった。

せっかくなのでFELASAコースの発見を数個だけ書いておく。

1.こっちでは「Good reason」がない限り動物を殺してはならない。家にネズミが出てそれを殺したら違法で、逮捕または罰金らしい。でも理由をこじつければ何とかなるとかならないとか。

2.それと一緒で、釣りもライセンスが必要。許可なく釣りをしたら逮捕されるらしい。びっくり。

3.エビだけは実験用に何匹購入しようが報告の義務なし。ただし使った数は報告の必要あり。変なの。

4.トランスジェニックマウスの作り方とか、ゲノム編集技術とか、その原理まで含めて普通に試験問題で出てきた。聞いてないと本当に落とされる。

5.日本と韓国は動物慰霊祭を行っている、と倫理の先生が言ったらドイツ人の品のない女たちがケラケラ笑っていた。そんなにおかしいか?

6.この人たち、動物を殺す方法の時にもずっと笑ってて怖かった。えー、これ使ったら一瞬で殺せるの!?ウケるーみたいな発言を平気でする。一緒に働くのは無理。

 

…振り返るとおれ何も学んでないな。


ちなみに講義中にロレンツの新論文がPNASにpublishされていた。Ph.DでPNAS 1st 2報とNature共著1報って、十分化け物だろう。彼と一緒に盛り上げていきたい。

 

 

 

 

渡独 32日目 twitter

僕はtwitterを非公開にしている。大した内容を書いてないし、求めてもいないのにいきなり批判されても嫌だし。それで、面白そうなことをつぶやいている人の公開アカウントをフォローするだけにしている。

ただそれだけなのに、今までにすでに3人にブロックされた。全員日本人研究者(うち2人はPI)。

公開していたら誰もが見ることができるはずなのに、非公開アカウントからのフォローはブロックするというのは一体どういうロジックなんだろう。すでにn=3だからきっと何か考えがあると思うのだけれど、自分にはこの人たちの考えがわからない。

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1分ほど考えてみた。彼らに質問をしたら、「ただ単に何となく気持ち悪かったから」という返事が返ってくるのではないかと予想した。

ということで今度、気持ち悪さを減らすために、女の子か可愛い動物をトップ画にして、彼らをフォローしてみようと思う。そのままにされるか、フォローバックされるのではないかと仮説を立てている。

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その後また数分考えてみたけど、twitterを見ることをやめればいいだけのことに気付いた。誰かの何気ない一言で一日中暗い気持ちにさせることは結構多いし、そもそもtwitterから有益な情報を得たことなんてほとんどない。facebookだってほとんど見てないし、ない方が時間をより有意義に使えるよね。

 

JKみたいなブログでした。きゃぴ。

 

 

 

渡独30日目 物価

決してブログをやめたわけではなく、自分を戒めていました。夜こそ英語orドイツ語漬けにならないとだめなんじゃないかと思って。しかし今日は渡独1か月祝いで酔っ払っているので更新します。一人でワイン1本空けたのは初めてだぜ。

書きたいことが多すぎるけど、今飲んでいるのでせっかくなのでお酒の話から。

こっちはお酒がとても安い。ビールは500mlで0.3€(40円くらい?)からあるし、今飲んでいるスパークリングワインもたったの3€。日本の十分の一くらいか?夢の国です。お酒だけでなく、スーパーで買えるものは何でも安い。じゃがいもや玉ねぎはは2kgで50セントだし、果物も2€出せば大体何でも買える。異常。

だが、外食をした瞬間に一気に跳ね上がる。大したものを食べていなくても40€はかかるからびっくりした。公共交通機関の値段も高い。日本の倍くらい。一番ひどいのは研究所のカフェテリアで、ただのパスタなのに8,9€は当たり前。しかもまずい。本当にむかつく。だからいつも隣のゲーテ大学に忍び込んで学食で食べている。そしたら5€でそこそこのクオリティのものが食べられる。

つまり、所得が少なくても生きていくことができる国だけれど、ちょっとでも贅沢をしようものなら遠慮なく搾り取りますよ、というスタイルだと受け取った。

 

ちなみに今まで経験した学食、社食を満足順に並べてみると、

MPI<ゲーテ大学<理研名市大≒東大<<...<越えられない壁<...<アス〇ラス製薬

ですね。この順番は絶対に変わらない。企業の社食はすごかった。昼から真鯛のポワレを食べれるとは思わないでしょ普通。しかも目の前で作ってくれる。そんなレベルのものが毎日500円以下で食べられる。素晴らしいけど冷静に考えるとおかしな会社です。

実は名市大の食堂も負けてはいなくて、おばちゃんと仲良くなるとちょっとおまけしてもらえたりしました。ああいうアットホームさも重要な要素ですよね。友達はライスSSの特盛などというふざけた注文をして実際に通(とお)っていました。だからMーLくらいの量。反則だろ。

 

まだ書きたいのだけれど眠くなってきたので次回、ドイツに海外学振で行くメリットとMPIの素晴らしさについて書きます。ああ、イントロの一段落目でsubmitしてしまう気分。

 

渡独18日目 特記事項なし

今日はずっと実験見学をしていた。10時間ほぼ立ちっぱなしだったから身体も疲れた。足つぼマッサージに行きたくて仕方がない。

 

ようやく(といってもまだ二週間だが)ラボメイトと打ち解けてきた気がする。みんなわりと話しかけてくれるようになって嬉しい。

ロレンツ(同期の方)とテーマについて話したのだが、彼がとても面白いクエスチョンを思いついて準備していることがわかった。線虫の分子生物学したやったことないはずなのに、なんでこんな玄人向けなゴリゴリの電気生理に興味を持ったのだろう。いつかどこかで自分のテーマと交錯する気がする。負けられないぜ。

しかしまだmy rigが立ち上がらない。専門の部署に顕微鏡のサンプルチャンバーを依頼したのだけれど返事が来ない。明日には連絡が来ますように。

 

 

渡独17日目 ヒロトコール

書くべきことが多すぎる。

昨日は片頭痛で正午に帰宅した。英語のマシンガンを朝8時からぶっ続けで聞いていたため頭がショートしたらしい。おかげで何もできず。

 

今日、ついに初めて手を動かした。行った実験は何とマウスの斜め切りスライス作成。某雑誌に投稿中の論文のリバイズのお手伝いだ。

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一昨日この論文のディスカッションに混ぜてもらったのだが、WTの急性スライスで細胞種を同定したいと言われた。ちょっと難しいので、僕はあることをつぶやいた。某TGマウスがいたら話が早いのだけれど、と。リバイズの期限は2か月だから、今からcreとloxpを掛け合わせても間に合うわけがない。ていうかそもそもうちのラボにはマウスがいない(笑) そしたらロレンツ(うちのラボにロレンツは2人いる。studentの方)が、「問い合わせてみるわ」と。どこに聞くのだろうと思いながら話は終わり、今日になった。マウスがテクニシャンによって運ばれてきて、僕が捌いたのだけれど、その途中で、「ミスったらごめんね、代わりのWTマウスいるよね?」と聞いたら、「いるけどこれWTじゃなくて某TGマウスだよ?」と言われ、仰天する。わずか2日で、欲しいTGマウスを、欲しい週齢で手に入れたの?嘘でしょ?僕同じマウスを東大で手に入れるのに半年以上かかったんだよ?何この差は?不公平すぎじゃね?

このマウス誰からもらったの?と聞いたら、うちの研究所に既存のマウスは全ているって言われた。嘘でしょ。

思わず「It's the MPI power!」 と言ったらおまえso funnyって笑われた。

で、一匹目で良いスライスが切れ、実験もうまくいき、きみのスライスすごいねと褒めてもらえた。ロレンツがボスの前でスーパーナイスと言ってくれたから、「目標達成、この仕事終わりー」という心の声が聞こえた。

このスライスの切り方は面白い。名前はあるのか?ヒロメソッドか?とマーク(1stオーサー)に聞かれたから、ドヤ顔で

「Hirotocolだ!!」

と言っておいた。ややウケだった。でも僕はロレンツが「dentateのcell が死んでいる。dendead。」と言って誰にも拾われずにスベったことをしっかりと見ていた。彼よりは上。

明日はいよいよreptilian cortexを捌きます。

 

 

渡独14日目 自転車ゲット

今日はお友達宅へ。2台あって邪魔だからといってマウンテンバイクをくれた。無期限レンタルってやつ。顧客が日本に帰るため不要になったやつをもらったらしい。フランクフルトはほぼ平地なのでサイクリングにうってつけなのだ。早速電車で家まで持ち帰ってきた。フランクフルトは自転車を電車に持ち込める。

写真は後日upするとして、めちゃめちゃかっこいい。よくよく見てみるとこの自転車プジョーですやん。高級車作ってるメーカーが自転車を作ってるなんて知らなかった。早速これに乗ってスーパーに行ってきたんだけど、信じられないくらいスピードが出るのね。ちょっと怖かった。しかしママチャリ以外に乗ったのは小3以来なので何というか、少年心みたいなものを刺激される。しかしサドルを最大限に下げても僕の腰骨ほどの高さがある。足伸びないかな。