読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひろ日記

かけだし神経科学者の留学日記

渡独6日目 初休日

今日は土曜日ということで、初めての休日。昼に友達と会うのだが、それ以外はとくに予定なし。

ラボは夕方まで大がかりな清掃作業があるらしく、入構禁止らしい。なので、今日は家でおとなしくお勉強と料理に励むことにする。

---------------

こっちに来て早くも思っていることだが、ドイツ人は絶対に謝らない。過去に来独した時も彼らが謝っているのを一度も見たことがない。

一昨日、大家さんに夜7時に壁の修理に行くから絶対に空けといてね、と言われていたので本当はラボ行事があったけど仕方なく家に帰った。

が、7時になる10分前くらいになって電話がかかってきた。「今日は行けない。週末は空いてるか」と。いいけど日曜の夕方しか無理、と答えた。そしたら「OKわかった、じゃあねー」って。侘びの言葉が一言もなかった。まじかよ。

ただ、大家さんはすごく良い人で、こっちでの生活をとても気にかけてくれる。つまり、ドイツ人=ルールに厳しく、真面目。しかし自分に非があっても謝らない。

これうちの父やんけ。父は絶対ドイツ文化にすんなりと溶け込めると思う。今月末に遊びに来るから楽しみだ。

 

さて、友人とランチしてくる。

 

渡独5日目 boring

実験ができるのは動物講習を受けてからだと言われた。

その日程はなんと4月上旬。うそでしょ…。

それまで何をしたらいいのかさっぱりわからない。人の実験を見てもいいけどうらやましくなるだけだしな。

今日はとりあえず論文を読む。

渡独3日目 ビザ予約

昨日は(も)疲れて爆睡だったので今書く。

朝からビザの申請のために外国人局に行ってきた。

Gallswarteという駅が最寄りなのだけど、ここから外国人局までが遠い遠い。しかも無謀にも地図なしで臨んだので案の定迷った。本来なら徒歩20分くらいのところが2時間かかった。しかも途中で通り雨にやられるし、完全に戦意を喪失していた。

外国人局に着いたのが10:00。家を出たのは7時。津ー東京間かよ。

で、よくわからないまま長蛇の列に並んでいると、意外にもサクサク進み自分の番が来た。超無愛想な女が受付。何か嫌なことでもあったのかな、と思うくらい始めからイラついている。たぶんこいつは外国人のことを人間だと思っていない。でもめげずにMPIからの招待状、保険証、住民登録などを見せると ふむふむ…とタイプし始めた。そのまま待つこと5分。

「ビザの予約をしてあげたわ。5月10日に来て。」と。

5月!?めっちゃ先やん。みんなこんなものなの?

さらにキツかったのが、

「おまえの書類英語だからだめ。全部ドイツ語で再発行してもらってこいや!」

と言われたこと。書類仕事本当に嫌いなんです、私。

 

このことをラボの秘書さんに伝えると、マレンという、MPIの国際課の女性に会うことを勧めてくれた。早速マレンの元へ行くと、

「外国人局に一人で行ったの?あんなところに?怖かったでしょう?ここの研究員はみんな私と一緒に行ってるのよ。」って。まじかよ。

「私だったら予約の日程もっと前倒してあげることができたのに。しかも今日のあなたの担当の人 私の友達だわ。まぁいいわ、5月に一緒に行きましょう」

あいつが友達だなんて…。でも一緒に行ってもらえるなら心強い。本当に安心した。

 

その後はラボ。まだペーパーワークを抜け出せない。早く自分のテーマを始めたいぜ。

渡独2日目その2 ロレンツ

午後からラボへ。

今日、つまり僕と全く同じ日にもう一人ポスドクがデビューした。名前はロレンツ。

会った瞬間「俳優?」って思うほどのスーパーイケメンで、顔は僕の3/4の大きさ、足は僕の1.5倍の長さ。隣に立つのが辛い。ウィーン生まれイギリス育ちなのでドイツ語、英語ともにネイティブ。ケンブリッジ大学Ph.Dを取得。おまけにNatureとPNAS経験有り。要するに化け物。

君に勝てる気がしないぜ、特に言語、と言ったら''No no, I cannot speak Japanease. (≒人それぞれに違った長所がある)'' と。…性格も良い。

嬉しかったのが、「僕は君のこと知ってたよ。磁気センサーの研究面白いね!ジルもきみの研究を楽しみにしてるって言ってたよ」と言ってもらえたこと。論文ってすごい。そういう意味でも研究は頑張る価値のある仕事だ。やってやろうじゃないの!

一緒に頑張ろうぜ!って言って解散した。置いてかれないようにしないとな。。

 

ちなみに早速今投稿中の論文の仕事に混ぜてもらえるかも。詳細はまた後日。

眠い。

 

 

 

渡独2日目 住民登録

朝から住民登録をするためにフランクフルト中央局まで来た。役人は愛想が悪いと聞いていたから身構えて臨んだのだが、受付ではフレンドリーなおじさんが相手をしてくれた。番号札を渡されて、そこで待っててねーと言われたのだが、電光掲示板に自分の番号が一向に表示されない。しかも、表示されている番号はすべて0で始まっているのに対し、自分の番号は8で始まっている。これはおかしいと思い、立ち上がり建物内をうろうろしてみると、何と2階に同じような待合室が。自分の一個前の人が呼ばれているところだった。そしてついに自分の番が来た。

 

自分のブースには爪を装飾した女の人がいた。この人が超無愛想。住民登録したいと英語で言ったのだが、すべて返事はドイツ語。Sorry? と何回聞き直してもドイツ語。これはまずいと思い、Could you speak ENGLISH !!!!?と大きい声で言ってみた。日本人は標準より大きめの声で喋った方がいいと誰かから聞いていたのを思い出したので。そしたらumm..となってから、僕並みの片言の英語でいくつか質問をしてきた。でも全部パスポートに載っている内容だったからわりと簡単に乗り切れた。

 

でもこれは自分が悪いよな。だって日本に来た外国人に全部英語でゴリ押されたらちょっと悲しいもんね。単語をいくつかくらいは覚えておかないと。 

この勢いでvisaも申請してみたかったが、外国人局はまた別の場所にあって、しかも火曜日はやっていないらしい。なので明日の朝出直すことにした。

 

そろそろ研究したい。

 

渡独一日目 ガーデニング

ドイツに着いたのでブログをちゃんと始める。毎日書くことにするとしんどいから、ゆるっと更新していきます。

 

早朝フランクフルトに到着。今回はANAだったのだけれど、サービス、食事、座り心地、全てにおいてJALの圧勝ですね。次からはJAL一択で攻める。フランクフルト着陸直前に吉野家の牛丼が出てきたときは感動した。eDreamsっていう詐欺会社のせいで学振から渡航費をもらえないことになったんだけど、まぁそれはまた別日に書こう。

 

で、今はアパートに着いて、雑用を済ませていた。僕は幼馴染に助けてもらって昨年10月にすでに契約を済ませていたので、加えてしなければならないことは特になかったからとても楽。

 

部屋にはなかなか立派なテラスがついているので、夏は外で一杯やるのも最高らしい。で、今は大家さんとベランダの花壇の土を耕していた。これがなかなか広くて、30cm ×4mほどもある。今はマリーゴールドを植えているのだけれど、好きな植物を植えていいよとのこと。せっかくなのでナスやキュウリ、トマトを植えて、夏に収穫した野菜とソーセージでBBQをしようと計画している。

 

明日は朝から住民登録などを済ませなければならない。億劫だけど頑張る。

ということでこれからラボ。

 

渡独-43日目

本当は渡独してから開設しようと思ったのだけれどとても印象深い一日になったので今日から始めることにした。

 

ようやく睡眠の研究が執筆段階まで仕上がってきたので、Sさんというナイスガイにお願いして世界的に有名なU田研でセミナーをさせてもらった。

U田研の第一印象は 「地頭の良い人たちの集合体」 という感じで、人柄も素晴らしい方ばかり。実験セットアップも素晴らしく、非の打ちどころのないラボだった。先生も超素敵。あの落ち着き払った雰囲気を自分に出せる日はきっと来ないだろう。

 

さて、自分の発表についてだが、Tononiのシナプススケーリング仮説とconsistentなデータを発表させてもらった。これが先生に火をつけてしまい、おそらく一生忘れられないであろう言葉を言われた。

「面白いから良い論文にはなると思います。でもあなたはきっと3,40年後に恥ずかしい思いをする。なぜなら間違ったものを追い続けているからだ。」と。

どうやらスケーリングをシミュレーションで再現しようとしても全然うまくいかないらしい。だから先生は睡眠の本質はスケーリングではなく、全く違う何かであると考えておられるようだ。

これに関してはどちらが正しいのかはわからない。実際に実験では覚せい時に増強、睡眠時に抑圧という現象が見つかっているわけなので。もしかしたらまだ見つかっていないルールが存在しているだけかもしれないよね。そのルールをシミュレーションに組み込めば再現できるのではないだろうか。

ただ、先生のおっしゃる通り今後も睡眠研究を続けていくのならば脱Tononiしないとオリジナリティのある仕事はできないと思っている。それはここ数年ずっと考えている。睡眠研究入門編としてはとても理解しやすかったので感謝はしているが。

(ちなみにボスにこの話をしたら、U田さんは頭が良いだけでなく直感も鋭いから、当たっているのではないか、とのこと。)

 

もう二言だけ心に残った言葉をメモして終わる。

「たとえばrippleが何かを変化させていることを見つけたのならば、そのカウンターを明らかにする仕事をするべき。下流にそれを検知するシステムがあるはずだから、それを見つける仕事をしろ。タフな仕事になるとは思うけどね。一細胞レベルの変化でもよいし、分子レベルの変化でもよい。しっかりと実体を捉えていくことが必要。」

分子生物屋の鑑とも言えるお言葉。肝に銘じます。

「研究はfactを元に進めていくべきであって、先語ってはいけない」

考えがデータに先行するのは、悪いことではないとは思うけど。バランスが大事なんだろうな。

最高の一日だった。